西洋古典学研究室論文投稿規定 松浦高志(修士課程 2 年) 2006 年 6 月 29 日 はじめに この規定は、論文集を少ない労力で迅速に出すためのものです。論文を作成/提出する前に必ず 確認してください。編集者の作業を軽減するためにも、規定に書かれていることを必ず守るようお 願いします。 論文集は LATEX(pLATEX 2ε)を用いて組版(typesetting)します。この規定も LATEX を用いて 組版されています。見出し、章・節番号等の体裁、脚注の組み方*1 などの参考にしてください。 この投稿規定に関する意見、質問は 1 のサポートページに、編集(組版)作業に関する質問は 2 のメールアドレスまでお願いします。 1. http://glc.l.u-tokyo.ac.jp/pukiwiki/ 2. tmatuura@glc.l.u-tokyo.ac.jp(松浦高志) 1 原稿 論文は電子原稿化してください*2 。 ■定義 原稿の種類を以下のように定義します。 ワープロ原稿 印刷原稿 ワープロで作成したファイル ワープロ原稿を紙に印刷したもの テキスト原稿 ワープロ原稿をテキスト形式のファイルに変換したもの ただ「原稿」とだけ記した場合は上に記した全ての原稿を指すこととします。また「電子原稿」と は「テキスト原稿」と「ワープロ原稿」(およびワープロ原稿を作成する際に使った画像ファイル など)を指します。 *1 注は原則的に脚注形式で組版します。後注の場合はご相談ください。 *2 電子原稿化できない場合はご相談ください。 1 編集の際にはテキスト原稿のみを用い、印刷原稿はレイアウトなど、テキスト原稿に反映されな い部分を目で確認するためだけに用います*3 。ワープロ原稿は使用しません*4 。 ■注意 テキスト原稿を用意する際は、以下の点にご注意ください。 • 「テキスト形式」とは、いわゆる「リッチテキスト形式」ではなく、「プレーンテキスト形 式」です。「リッチテキスト形式」のファイルは組版作業に使用することができません。 • ワープロによっては、テキスト形式のファイルに変換する際に脚注を省略してしまいます。 テキスト原稿が正しく作成されているかどうか、必ずチェックしてください。 2 提出 ■定義 提出の締切を以下のように定義します。 一次締切 査読用原稿の提出締切 二次締切 編集用原稿の提出締切 査読がない場合は、二次締切のみとなります。 ■提出物 それぞれの締切に応じて、以下のものを提出してください。 一次締切 印刷原稿 二次締切 (赤字書きした)印刷原稿、ワープロ原稿、テキスト原稿 ■提出形態 印刷原稿は持参/郵送し、電子原稿は以下の形態で提出してください。データの信頼 性と簡便さから、上の 2 つをお勧めします。 • メールに添付 • CD-R(W) • フロッピーディスク • MO 次の点にご注意ください。 • メールで提出する場合は、テキスト原稿も含めて全て添付ファイルにしてください*5 。添付 の際、可能ならば.zip、.lhz、.tar.gz 形式で圧縮してください*6 。 *3 原則として文書の論理構造を元にレイアウトを決定します。そのため、印刷原稿・ワープロ原稿の体裁を無理に仕上 がりの印刷物に近づける必要はありません。むしろ、組版作業の手間を軽減するためこの規定を優先させるようご協 力をお願いします。 *4 ただし、緊急の際に使用する可能性がありますので、提出リストに含まれる場合は必ず提出してください。 *5 本文に記載されたテキストを自動的に改行してしまうメールクライアントが存在します。 *6 Macintosh の.sit 形式は避けてください。OS によっては解凍できません。 2 • フロッピーディスクのフォーマット形式は、可能ならば Windows の形式(FAT)にしてく ださい。 • ドライブによっては大容量の MO を扱うことができません。640MB 以下のディスクを使用 してください。 • ファイル名には拡張子をつけて、file.txt のようにし、ファイルの形式が一目でわかるよ うにしてください。 • ファイルの名称とその内容のリストを一緒に提出してください。メールに添付した場合は ・・・・ メールの本文に記載し、その他の場合は印刷したリストを添えて提出してください。 ■注意 提出の際には以下の点にご注意ください。 • 二次締切の際に提出された原稿は返却しません。いずれもコピーをとり、手元に保管してく ださい。特に、赤字書き(第 3 節参照)した印刷原稿のコピーをとっておくことをお勧めし ます。著者校正の時に役立ちます。 • 使用した OS*7 、使用したワープロソフトとそのバージョンをお知らせください。ギリシア 語を使用した場合はフォント名もお知らせください*8 。 • 画像を張り付けた場合は、元の画像も一緒に提出してください。 • 提出した原稿の間で相違がないようにし、あればその旨必ず連絡してください。特に査読の 後の二次締切で提出する原稿に関しては十分注意してください。 ■LATEX での原稿提出 LATEX で原稿を作成した場合は、それぞれ以下の原稿を提出してください。 一次締切 印刷原稿 二次締切 電子原稿 この場合、 「電子原稿」とは.tex ファイル等を指します。以下の点に注意してください。 • .log ファイル等があるともしもの時に役立ちます。コンパイルの際にできたファイルと一 緒に.tex ファイルを提出するのが一番安全です。 • 外部ファイルを読み込んでいれば忘れずに提出してください。 • スタイルファイル、マクロを使用していれば忘れずに提出してください。それらが衝突を起 こす場合、また文字数変更や版面のサイズ指定など体裁に関わるものの場合は編集者の判断 で外させて頂きます。 • 使用していないデータは添付しないでください。現場での判断に時間がかかります。 *7 Mac OS X Tiger 10.4、Windows XP など。 *8 ギリシア語の組版についての情報収集のため。UTF-8 コードを使用した場合、その旨知らせて頂ければフォント名 の情報は省略できます。 3 3 印刷原稿への赤字書き 組版原稿を作成する際は、印刷原稿を参照しながらテキスト原稿をコピー&ペーストしていきま すが、印刷原稿にあってテキスト原稿に反映されない指示を見落とす可能性があります。 そのため印刷原稿上で、以下の部分に赤字書き(赤で下線を引く、赤で注意書きを加える)して ください。 1. 主にレイアウトに関するもの • 段落間の大きな切れ目を表すために、空行を挿入した箇所*9 • 字下げをしていない引用文*10 2. 多言語 • アクセントなどのついた文字(ドイツ語のウムラウトなど)を含む単語、文 • ギリシア語 3. 書体に関わるもの • ゴシック体・イタリック体・ボールド体など、明朝体・ローマン体でない部分 • (見出しなどを除いた本文中で)文字の大きさを変えた部分*11 • ルビ、添字、圏点(傍点)、アンダーライン 4. 文字コードに関わるもの(上の多言語の場合を除く) • JIS 漢字コード(JIS 第 1 水準、第 2 水準)で規定されていない漢字や記号*12 • 丸付数字などの特殊文字 • 日本語のダブルクオート • 日本語・欧文のダーシ(ダッシュ) 5. その他 • 本文に付されている脚注番号 • 全角スペース*13 4 美しい文書を作るために きれいに組版するためには、一定のルールに従って文字を入力する必要があります。特に記号等 (約物)には注意が必要ですので、以下に注意点をまとめます。なお、「全角」「半角」の用語は既 *9 空白の大きさについてはお任せください。なお、その空行がページの始めか終わりにきた場合には省略されてしまい ますので、できるだけ見出しをたてることをお勧めします。 *10 引用文は字下げして組版します。 *11 論文集の体裁、他の論文との兼ね合いを考え、具体的な大きさは編集者が決定します。 *12 漢字については、はしご型の「高」などの異体字を使用する場合の他は必要ありません。使用する際はできるだけ欄 外に Unicode(UTF-8)のコード番号、または Adobe-Japan1-5 の CID 番号を書き添えてください。 *13 一般に段落の始めや引用文の字下げなどには(全角)スペースは用いず、インデント機能を使います。 4 知とし、ただ「スペース」とだけ記した場合は「半角スペース」を指すこととします。 数字、記号等 4.1 ・・ • 漢数字以外の数字とアルファベットは全て半角にしてください。一桁の数字、一文字のアル ファベットも全て半角です*14 。 • 世紀や年号、巻・章・節・行の表記にはアラビア数字を用いることを原則とします*15 。 • ローマ数字は、英文字の「アイ」、「ブイ」などを使い、全角文字(時計文字)は使わないで ください*16 。 • 半角カナは使用できません*17 。和文用の記号で半角のもの(半角のかぎ括弧など)も使用 してはいけません。 • 和文中に欧文を混ぜる場合、その前後に半角スペースは挿入しないでください*18 。 ■句読点 和文中では「、 」と「。 」を用いてください*19 。和文中に欧文単語が入っており、前後が アルファベットになっている場合でも半角の「,」は使わないでください。少し詳しく言うと、「和 ・・・・・・・・ 文中に挿入された欧文が一つの『文』と解釈される場合、 その欧文に属する句読点は欧文用のも のを用い」ます。Hart's Rules [3] に載っている格言によれば、`place punctuation according to ' ということです。ただし判断が難しい場合も多くありますので、細かい点は編集者にお任 sence. せください。 ■括弧(パーレン) ・・・・・・・・・・ 和文中の括弧は中身が欧文の場合でも全て全角を用いてください。欧文中 で、かつ中身も欧文の場合に半角の括弧を用いてください。 かぎ括弧 かぎ括弧を入れ子にする場合は、奇数番目は一重かぎに、偶数番目は二重かぎにしてく ださい*20 。 コーテーション コーテーションを入れ子にする場合は、奇数番目はシングルに、偶数番目はダブ ルにしてください*21 。 ■改行記号 韻文や写本、パピルス等で改行の記号を使う必要がある場合、|*22 を用いてくださ い。なお、単語中で改行されていない限り、その前後に半角スペースを挿入してください。 *14 この規定に違反した原稿が多く見られます。 *15 ローマ数字は、特に必然性がある場合を除いては使わないことを原則とします。 *16 時計文字は機種依存文字(OS が変わると正しく表示されない)ですので、絶対に使用しないでください。 *17 半角カナも機種依存文字です。 *18 この規定に違反した原稿が多く見られます。自分のワープロ上できれいに見えなくても、半角スペースは挿入しない でください(注*3 参照)。 *19 「, 」と「. 」が使用されている場合は編集の際に全て「、 」と「。 」に置換します。 *20 「……『……「……」……』……」 。 『文字の組み方ルールブック』[1, 9 ページ] 参照。 *21 `. . .  . . . `. . . ' . . .  . . . '. *22 または `/'。 5 ■校訂記号 主要な校訂記号、韻律の記号は使用できます。もっとも複雑と思われるパピルスの場 合も、概ね可能です。校訂記号を用いた箇所には赤字書きしてください。 ■音引き 論文中である程度*23 一貫していれば構いません。ただし、使用する場合は信頼できる 辞書で音引きを必ず確認してください*24 。 ■省略記号 第 6 節を参照してください。 4.2 字体、強調 ワープロの制約で出力できなかった字体、特殊効果を使用したい場合は、その箇所に赤字書きし た上で、欄外に注記を書き加えてください。 アンダーラインは使わないことを原則とします*25 。強調の仕方については以下のそれぞれの項 目を参照してください。 4.2.1 欧文 欧文には以下の字体と特殊効果が使えます。右は組版の際に使うフォント名(とその字体見本) です。強調の際は , italic bold face, San Serif が使えます。イタリック体中の強調文字は、イタ リックボールド体、またはローマン体で組版します。 ローマン体 Computer Modern Roman イタリック体 ボールド体 Computer Modern Italic Computer Modern Roman Bold Computer Modern San Serif サンセリフ体 タイプライタ体 Small Caps Small Caps ゲシュペルト体 4.2.2 Computer Modern Typewriter Type aaaaaaaa a a a aaaaaaa 和文 ・・・・ 明朝体とゴシック体が使えます。強調の際は、ゴシック体か強調圏点*26 を使います。 *23 例えば、 「慣用になっているものはそれに従う」という方針ならば、 「ソクラテス」と「トゥーキューディデース」、 「アテナイ」と「ローマ」が混在していても構いません。「プラトーン」と「ソクラテス」などの混在はあまり美しく ないので、できるだけ一貫させてください。 *24 音引きの間違いが多く見られます。 *25 使う場合は制限がありますので、ご相談ください。 *26 傍点(丶)は横組では普通用いません。 『文字の組み方ルールブック』[1, 12 ページ] 参照。 6 4.2.3 ギリシア語 原則としてローマ字転記は行いません。印刷原稿にギリシア語を出力できない場合は、印刷原稿 の該当箇所(の欄外)に手書きで書き込み、赤字書きしてください。 Didot フォントを標準*27 とし、強調の際には Didot フォントの太字を使用するのを標準としま す。いずれのフォントも lunate sigma(c)は使えません。 Didot abgdezhjiklmnxoprstufqyw‚‹ƒŠ‰’‘† Didot (bold) Lipsiakos SF ‡Ž–•” ñ ò ó >A A A